汎用超並列オペレーティングシステム SSS-CORE は並列アプリケーシ ョンと協調動作することで、効率を極力落すことなくマルチユーザ/マルチ ジョブの汎用環境を実現する分散メモリ型並列計算機およびワークステーシ ョンクラスタ環境(NOW: Network of Workstations)を対象とした汎用オペ レーティングシステムである。ユーザの並列アプリケーションの効率の良い 実行のためには、第一義的にはユーザモードにおいてノード間における通信 と同期をいかに高速に実現するかが最大の鍵である。この鍵となる高速通信 同期として、SSS-COREではMemory-Based Processor(MBP)と共に提案され た高機能分散共有メモリシステム(SMS: Strategic Memory System)上の各 種メモリベース通信機能やメモリベース同期機能を、NOWや分散メモリ型並 列計算機に可能な限り低オーバヘッドのソフトウェアにより実装したものを 提供する。本稿ではメモリベース通信機能の基本方針と実装方式の概略を、 従来の通信同期機能の問題点と対照することにより示す。